
「どう思っているの?」
「何を考えているのか知りたい」
そう思って質問したのに、返ってくる答えが
「わからない」
この一言に、戸惑った経験はありませんか?
実はこれは、カウンセリングの現場でも非常によくあるやりとりです。
言い方を変えたり、雰囲気を和らげたりしても、答えは同じ。
「本人にわからないなら仕方ない」
そう割り切れればいいのですが、なぜかモヤモヤしてしまう。
それは、「わからない」と言われるほど、
「なぜ、わからないの?」と「?」が増えてしまうからです。
この記事では、現場で繰り返し感じてきたことをベースに
「わからない」と答える人の心理を3つのタイプに分けて整理し、関わり方のヒントをお伝えします。
『わからない』と答える人の心理|3つのタイプ
日常生活で使われる「わからない」を整理すると、
多くの場合、次の3つのいずれかに当てはまります。
- 本当にわからない
- 本音よりも正解を選ぼうとする「わからない」
- 考えることを避けるための「わからない」
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①本当にわからない【知識・経験不足のケース】
- 初めてのことで、何を考えればいいかわからない
- 考えてみたが、どうしたらいいかわからない
- 質問の意味自体がわからない
このタイプは、
知識不足・経験不足・視点不足による「わからない」です。
能力の問題ではなく、
「考えるための材料」がまだ揃っていない状態だと言えます。
▶このタイプへの関わり方
答えを急がせるより、
選択肢や前提条件を一緒に整理することが有効です。
② 本音よりも正解を選ぼうとする「わからない」
この「わからない」は、心の奥にこんな思いが隠れています。
- 本音を言っても、どうせ聞いてもらえない
- 本音を言ったら、怒られるかもしれない
- 本音を言うと、不利になる気がする
その結果、
「正しそうな答え」を探そうとして見つからず、
とりあえず「わからない」と答えるのです。
つまりこれは、
正解を求めすぎるがゆえに生まれる「わからない」です。
▶ このタイプへの関わり方
正しさよりも、
「どう感じているか」を尊重する姿勢が信頼につながります。
③ 考えることを避けるための「わからない」
このタイプの「わからない」は、
考えること自体に負担感を抱えています。
- 考えると疲れる
- 決める責任を持ちたくない
「わからない」と言えば、
- 誰かが答えを出してくれる
- 誰かが手を差し伸べてくれる
そんな依存的な側面が隠れていることもあります。
▶ このタイプへの関わり方
すぐに答えを与えず、
「一緒に考える」というスタンスを保つことが大切です。
簡単に「わからない」と言えなくするために大切なこと
そもそも「わかる」とは、
- どうすればいいかがひらめく
- どうすればいいかを自覚できる
という状態です。
そうであれば、
「どうすればいい」を増やすことで、
「わからない」を減らすことができる。
ということになります。
では、どのようなアプローチをしたら
「どうすればいい」
を増やすことができるのでしょうか?
答えがあるときの関わり方
こちらにある程度の答えがある場合は、
最低限、次の2つを共有します。
- 現在考えられる可能性と選択肢
- その中から行動を選ぶ考え方
ただし、
その答えが相手にフィットするとは限りません。
無理に押しつけないことが重要です。
答えがないとき・合わなかったときの関わり方
この場合は、
「どう考えたらいいか」を一緒に考える姿勢が求められます。
ここでの立ち位置は、
「指導者」や「教育者」ではなく、伴走者です。
伴走者は、
相手が道を誤ったり危険に向かわないよう支えながら、
共にゴールを目指す存在です。
そのために、問い詰めるのではなく、
次の3つを一緒に確認していきます。
- どこまでわかっていて、どこからわからないのか
- 「わからない」以外の答えを探すと、どんな感覚になるか
- わからないを、わかるに変えるには何が必要か
お互いに「わからない」から始まるため、
答えがひらめくまでには少し時間がかかります。
まとめ|「わからない」の奥にあるもの
誰もが、「自分が間違っている」とは思っていません。
だからこそ、人は、
- 誰かに変化させられることを望んでいない
- そのままで受けられることを望んでいる
それでも、変わってもらう必要のあるときは、
- 少しだけ自分から歩み寄る姿勢を持ってみましょう。
- 理解しようとする姿勢が、信頼と変化のきっかけになります。

あなたは、どんな一歩を踏み出しますか?
まずは、できることから1つずつ。
そんな一歩を踏み出すヒントになればうれしいです。
ご訪問ありがとうございました。
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