
「カウンセリングを学びたいのですが、大学で心理学を学ばないとダメでしょうか?」
これは、カウンセリングに興味を持っている方からよくいただく質問です。
私の答えはシンプルです。
「心理学を学んでも、カウンセリングはできるようになりません」
この言葉に、多くの方が驚きます。そして必ずこう聞き返されます。
「じゃあ、何を学べばいいんですか?」
答えは明確です。
「カウンセリングを学んでください」
心理学とカウンセリングは何が違う?
私の体験談を交えてお話しします。
私はもともとカウンセリングとは無縁のサービス業で働くビジネスマンでした。
ある日、知人に頼まれて荷物運びを手伝うことになり、行き先がなんとカウンセラー養成の入門講座。
「せっかくだから聴いていけば!」と言われ、その言葉に甘え受講者のふりをして席に着いたのが始まりです。
話を聞いているうちに、
「こんな世界があったのか!」と驚き、
「せっかくだからちゃんと勉強して帰ろう!」
こう思わせてもらえたことが、カウンセリングの世界に入るきっかけとなりました。
その後、資格を取得し、カウンセラーとして活動を開始。
しかし、活動を続けるうちに、こう思うようになりました。
「もっと専門的な知識があれば、より良いサポートができるのでは?」
そこで大学で心理学を学ぶことを決意しました。
しかし、学んでみてすぐに気づいたのです。
「求めていたものと違う…」
心理学は「過去を分析し、なぜそうなったのかを説明する学問」です。
例えば、
「虐待されて育つと、虐待する側になるリスクが高まる」
こうした知識は確かに重要です。
でも、目の前で困っている人を今すぐサポートする方法ではありません。
料理で例えると…
「この料理が美味しい理由」を分析するのが心理学。
「美味しい料理を作るにはどうすればいいか」を一緒に考え、実践をサポートするのがカウンセリング。
どちらも価値がありますが、目的が違うのです。
分析的に考えることで起こること
心理学は『なぜ?』の答えを知識や情報を使って考えていきます。
そこで起こりやすいのが、思い込みや決めつけです。
分析的に考えることが必要な場面もあります。が…
思い込みや決めつけをしてしまったら、相手の話を聴けなくなってしまいます。
幸いなことに私は、カウンセリングを先に学んでいたので、このことに気づくことができました。
でも、心理学を先に学んでいたらと考えたとき、正直、ゾッとしたのを覚えています。
カウンセリングは、「これからどうするか」を一緒に考え、
未来に向かうサポートをすることが目的です。
『なぜ?』の答えを分析的に考えることではないのです。
よくある誤解:「傾聴=カウンセリング」ではない
話を聞いて復唱する「傾聴」をカウンセリングだと思っている方がいます。
しかし、傾聴はカウンセリングを支える技術のひとつに過ぎません。
本質は、
「悩みを解消する」こと。
そのためには、理論と技術を学び、練習を重ねることが不可欠です。
私が実践している方法
私は、
カウンセリングの場では、行動科学をベースにしたカウンセリング(マスタリーメソッド)を使っています。
講演や学生向けの授業などでは、理論的な解説や説明をするために心理学を使っています。
カウンセリングをできるようになるには
カウンセリングは「実践のスキル」です。
理論を知るだけではなく、実際に使いこなせるようになることが重要です。
- 悩みに寄り添う:話を聞くことは誰でもある程度できますが、効果的に寄り添うにはコミュニケーション技術が必要。
- 悩みを解消する:ここが本質。悩みを解消するための理論と技術を学び、練習を重ねることが不可欠。
縄跳びで考えてみてください。
「二重跳びのやり方」を知っても、すぐにできるわけじゃないですよね。練習が必要です。
どう学べばいい?
悩みに寄り添うには?
人の話を聞くのが得意な方なら、聴き方のコツを知るだけで寄り添えるようになります。
さらに高みを目指すなら、「聴く」だけでなく「伝え方」「感情の扱い方」など、
コミュニケーション全般を学ぶと、いろんな悩みに寄り添えるようになります。
悩みを解消するには?
悩みを解消するための理論と技術を学び、練習することが必要です。
研修や講座で学ぶのも良いですし、本で独学するのもあり。
ただし、どんな方法でも「練習」は欠かせません。
学びたい方の、サポートをしています。カウンセリングの学びに興味がある方はご覧ください。
理論とスキルを学ぶ講座は
「一般社団法人マスタリーカウンセリング協会」https://mcounseling.or.jp/
実際に使えるようになっていくための勉強会は
「NPO法人 クリオネの家」https://kurione.org/
まとめ
心理学を学んでも、カウンセリングをできるようになりません。
カウンセリングは、練習して身につけていく「実践のスキル」です。

まずは、できることから一つずつ。
そんな一歩を踏み出すヒントになればうれしいです。
ご訪問ありがとうございました。
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