
職場でも家庭でも
「丁寧に教えているはずなのに、意図が伝わらない」
「わかっていると思ったのに、何度も同じことを言わなきゃならない」
こんな「見えない疲労」の種がいたるところに転がっています。
でも、実はこれ、単に「伝達のすれ違い」が起きているだけ。
熱意や愛情が足りないとか、
能力が低いからということを原因にしてしまうと
心が消耗していってしまいます。
一度にたくさんの情報を出し過ぎる
わかってもらいたい想いの強さが、
「1個言えばいい」ところを「10個言ってしまう」というような
情報量の多さにつながってしまうことがあります。
それでも、「10個の中から1個わかってもらえれば」というのならいいのですが、
「10個言ったのだから半分(5個)以上はわかってよ」となるとすれ違いが起こります。
自分の想いの強さで、「もっともっと」と相手への期待を膨らませてしまう。
それは、相手との関係の中で当然のように起こることです。
でも、その想いの強さについてきてくれる相手ばかりではないのです。
では、どうしたらいいのでしょうか。
1回につき、伝えることは1つにしてみましょう。
・まず、1個わかってもらう。
・わかってくれたら次の1個をわかってもらう。
10個わかってもらいたいなら、これを10回くりかえす。
このときの最大の敵は、自分の中に湧き起こるサービス精神と焦りです。
伝えたいことのポイントがずれている
「ちゃんとわかって」という想いが強いと、説明が増えることがあります。
そして、本当にわかってほしいことが「ちゃんと伝わらない。」ということが起こります。
例えば、
「姿勢をよくして」と伝えたいだけなのに、
「姿勢が悪いと、呼吸が浅くなって、体に酸素が巡らなくなるから、頭の回転も悪くなって…」と、
姿勢を良くして欲しい理由を説明する。
よかれと思ってした説明でも、長くなると興味のある単語だけしか頭に残りません。
ではどうしたらいいのでしょうか。
テーマの先出しをしてみましょう。
「○○のことを話すね」と、ただ前置きをするだけ。
「姿勢をよくして」と伝えたいのであれば、「姿勢のことを話すね」と前置きをするだけです。
この前置きをするだけで、話が膨らみ過ぎたり脱線してしまうことも少なくなります。
相手に伝わる言葉を使えていない
普段から使っているしよく耳にする言葉なのに、理解の難しい言葉があります。
それは、「ない」が入っている言葉です。
例えば
- 叩かない
- 走らない
- 散らかさない
- 騒がない
このような「○○しないで」、「○○はやらないで」という言葉は
日常の中で、つい使ってしまう言葉です。
でも、「○○しない」は「行動がない」ということ。
その言葉が、「止まること」を望んでいるのであればいいのですが、
「○○しない」が、別の行動を望んでいるのだとしたら
何をしてほしいのかを伝えることはできないということになります。
では、どうしたらいいのでしょうか。
Don’tをDoへ変換してみましょう。
何をしてほしいのであれば、そのまま「□□をしてほしい」と伝える。
□□してくれると助かる、□□してくれるとうれしいなんていうバリエーションもあります。
言う前にあきらめてしまう
わかってほしい思いを前面に出すと、
わかってもらえなかったとき嫌な想いをするし、
相手に迷惑をかけるかもしれないから、
自分の思いを押し殺して我慢する。
そんな頑張りをしてしまう人もいます。
実際、どんなに頑張ってみても、わかってくれない人はいます。
しかし、「本当にわかってもらう必要のあることがある」のも事実です。
では、どうしたらいいのでしょうか。
とりあえず「Iメッセージ」で伝えてみましょう。
「あなた」を主語にして責めるのではなく、「私」を主語にして気持ちを伝える方法です。
誰かのためにと思うと、人は思わぬ力を発揮できることがあります。
「自分のために」で力を発揮できれば「自分のために」。
それが難しいときは「大切な誰かを思い浮かべ、その人のために」。
「私は○○と思っている。」と私の思いを言葉にしてみましょう。
○○には、下のような言葉が入ります。
- ●●したい
- ●●してほしい
- ●●してくれると助かる
- ●●してくれると嬉しい
あなたの周りの誰かとの関係が、 少しでも楽になりますように。
完璧じゃなくていい。今日も小さな一歩から。

まずは、できることから1つずつ。
そんな一歩を踏み出すヒントになればうれしいです。
一般社団法人マスタリーカウンセリング協会 代表理事。NPO法人クリオネの家 事務局長。
行動科学・健康科学・脳科学に基づき、原因追及ではなく仕組みで心と行動を整える『マスタリーメソッド』を体系化。
個人カウンセリングや企業・官公庁・教育機関での研修を行うほか、カウンセラー育成や各種学びのプログラムの提供にも注力している。
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