「いじめ」ゼロへの道:望ましい行動を促す新たな視点

いじめを無くすためにいろんな対策をしているのに、

「なぜ、いじめが起こってしまうのでしょうか?」

「なぜ、いじめがなくならないのでしょうか?」

こんな相談を受けることがあります。

 

この相談の答えは簡単です。

 

何だと思いますか?

 

それは、

目標の作り方が合っていないからです

 

いじめって何をすることだか考えたことはありますか?

身近でいじめが起こったことがあるとか、

今いじめが起こっているという人たちは、

これがいじめだ!って言えると思います。

 

いじめが社会問題になってはいるけど、

実際は何がいじめなのかを

考えたこともないっていう人の方が多いと思います。

 

いじめとは、「相手が嫌がる行為をやり続けること」。

 

場所によってはハラスメントって言い方をすることもありますが、

相手が嫌がっていることを続けること。

1回や2回ちょっかいを出すとかからかうとかのレベルではなく、

やり過ぎることがいじめということです。

 

いじめの境界線は?

いじめをなくそうとするのであれば、

ここまではOKでここからがダメという、

いじめの領域といじめではない領域に線引きが必要になります。

 

でも、いじめは相手が嫌がる行為をやり続けることですから、

相手の感じ方が線引きに影響します。

個人の都合で線引きが変わってしまうのであれば

それはルールとは言えなくなってしまいます

 

ここが難しいところですよね。

いじめはなくしたいけど、線引きが難しい

 

だから、いじめをなくそうとすると、

もっともらしいんだけどわかりにくい

相手が嫌がることはしないように」という

抽象的な禁止のルールになっていたりするんです。

 

「ない」は「ゼロ」を目指すこと

「○○をなくす」ということは、

言葉のままとれば、「○○」を「ゼロ」にするということですよね。

 

だから、ちょっとでも「○○」があってはいけないから、

「○○」をなくすために、

「○○」を探し続けなくてはいけないということです。

 

例えば、いじめを「ゼロ」にするためには、これがいじめだと意識し続けないといけないし、いじめを「ゼロ」にするために頑張ろうとすれば、これがいじめになるのだからこれをなくそうと頑張り続けなくてはいけないということ。

そして、「ない」を目指したのだから、「ゼロ」になったときが安心できるときということです。

つまり、「ない」を目指したので「ない」の代わりに何かが生まれているかどうかはわからないけど、「ない」ことに安心するという状態ができあがるということです。

 

「○○しない」は「○○」を引き寄せる

「○○をしない」は、「「○○をする」を「しない」」とイメージします

なんかわかりづらいですが、「する」ということを「ゼロ」にするのが「しない」ということです。

 

例えば、

「甘いものを食べない」は「「甘いものを食べる」を「しない」」とイメージします。

「ゲームをしない」は「「ゲームをする」を「しない」」とイメージしているのです。

だから、甘いものを食べないと決めたはずなのにすぐに甘いものを食べたくなったり、ゲームをしないと決めたはずなのにゲームのことが頭から離れなくなってしまうのです。

つまり、「○○しない」は、「○○をする」を必ずイメージしてしまうために、本当は遠ざけたい「○○する」を引き寄せてしまうということなのです。

 

「いじめをしない」は「「いじめをする」を「しない」」とイメージします。

「相手が嫌がることはしない」は「相手が嫌がることをする」を「しない」とイメージしています。

そして「する」がゼロになって安心する。

そして、「ない」を目指したのだから「ない」の代わりに何かが生まれるかどうかはわからない。

 

つまり、「○○がない・ゼロを目指す」は、新しい何かを生む必要や望ましい行動を促す必要も何もないということを目指すのであれば効果的な目標の立て方ですが、何かを生み出したかったり望ましい行動を促したいのであれば逆効果ということです。

 

単純でわかりやすい言葉を使う

いじめをなくしたいのは、その代わりに「□□になってほしい」があるはずですよね。

つまり、新しい何かを生み出す必要や望ましい行動を促したいということ

それであれば、まわりくどい言い方は厳禁です。

 

「仲良くしましょう」とか、「相手が喜ぶことをしましょう」といった
単純でわかりやすいイメージのしやすい言葉で目標を作ってみましょう。

 

ゼロにしたい「○○する」をイメージする言葉ではなく、増やしたい「□□する」をイメージするような言葉を増やせば、増やしたい「□□する」を意識して「□□」を探す行動が増えていくはずです。

 

目指すところをわかりやすく言葉にする。

その雰囲気の副産物として、いじめがないという結果が生み出されていくはずです。

 

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ほしのぶ(星野伸明) です。
 
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