異動・転職、新しい環境に馴染めない|不調につながる「適応戦略のミスマッチ」

 

異動や転職、入学やクラス替え…

環境が変わってしばらくした頃に

  • 食欲が落ちた、または無性に食べたくなる
  • 睡眠が浅く、疲れが取れない
  • 愚痴やネガティブな発言が増えた

こんな不定愁訴(原因が特定できない不調)が現れることがあります。

 

原因を探ろうとすれば

「今の環境が合わないから?」「人間関係?」「メンタル?」と

さまざまな原因が浮かんできてしまいます。

 

しかし、実際には「安心を得ようとする方法(適応戦略)」が、

今の環境と噛み合っていないことが少なくありません。

 

なぜ「自分だけが浮いている」と感じるのか?

環境が変わったとき、人間の脳は本能的に「安心」を求めます。

このときにとる行動が「適応戦略」です。

適応戦略は大きく分けて

・周囲を知ることで「安心」を得ようとするときと

・自分のことを受け入れてもらうことで「安心」を得ようとするときがあります。

 

周囲を知ることは、その環境に適応するために必要なことです。

周囲を知って、自分がどう振舞えばいいのかをわかれば安心できるからです。

 

一方、自分のことを受け入れてもらうのは、

周囲に変化を求めることになってしまいます。

 

そのため、自分が周りに合わせていくことよりも、周りが自分に合わせて欲しい。

その気持ちの方が強くなっていきます。

 

この状態になると、ちょっとしたことで

  • 受け入れられていないように感じる
  • 誰も私のことをわかってくれない
  • なんだか自分だけ浮いている気がする

さらに

  • 周囲を「悪者扱い」して責めてしまう

そんなことも起こります。

 

これこそが、「適応戦略のミスマッチ」によって起こっている現象です。

 

脳の「仕組み」で解決する2つのステップ

「あなたは悪くない」「無理しなくていい」。

こんな優しい言葉が必要なときもあります。

 

しかし、適応に必要なのは

『客観的な自己認知(メタ認知)』と『具体的なアクション』です。

 

環境が変わったあとに、不定愁訴(原因が特定できない不調)が現れたときは、

「2つのステップ」で、絡まった思考をゆっくり解きほぐしてみましょう。

 

Step1. 「思い込み」と「事実」を切り離す(メタ認知の起動)

まずは立ち止まり、この2つの問いを投げかけてみてください。

 

「周囲の話をちゃんと聴けているだろうか?」

「自分の考えや過去のやり方だけにこだわっていないだろうか?」

 

自己中心的な「思考のフィルター」がかかっていないか、

冷静に観察するつもりで振り返ります。

 

ここでの注意点は、「良い」「悪い」と評価をしないこと。

 

聴けていないと思ったら…

↓

どうしたら聴けるようになるかを考える。

 

「自分の考えが唯一の正解」と思っているかも…と思ったら、

↓

・空を見上げて深呼吸する

・周囲の人の様子を思い出してみる

・自分とは異なる考え方がないか探してみる

・今できる行動を1つ決める

 

Step2. 思考を外部化 他者の力を借りて確認する

人間関係において「自分を受け入れてほしい」という想いは誰にでもあります。

しかし、この想いが強すぎると認知に歪みが生まれます。

 

そんなときは、

「利害関係のない第三者に話す(思考の外部化)」ことで、

今の状況を客観的に見ることができるようになります。

 

ただの愚痴でもいいですが、

「どんな現状認識をしているのか」を他者の力を借りて確認する。

 

とりあえずでも話のできる場を探してみましょう。

 

馴染めない原因探しに時間を割くよりも、

完璧じゃなくていい。今日も小さな一歩から。

 

 

まずは、できることから1つずつ。

そんな一歩を踏み出すヒントになればうれしいです。

星野伸明
この記事を書いた人
星野 伸明(ほしのぶ)
明日に寄り添うカウンセラー

一般社団法人マスタリーカウンセリング協会 代表理事。NPO法人クリオネの家 事務局長。
行動科学・健康科学・脳科学に基づき、原因追及ではなく仕組みで心と行動を整える『マスタリーメソッド』を体系化。
個人カウンセリングや企業・官公庁・教育機関での研修を行うほか、カウンセラー育成や各種学びのプログラムの提供にも注力している。

コメント