自己嫌悪は文字の通り、自分のことを嫌になることです。
嫌になる原因はさまざまですが、
- 失敗した
- うまくいかなかった
- 同じ失敗を何度も繰り返している
このような、ネガティブな結果の原因を自分の中にあると感じたときに湧き起こります。
ただ、同じような結果になっているはずなのに「自己嫌悪になる人」と「そうでない人」がいます。
その違いを生むのが『「向上心」や「成長心」の強さ』なのです。
自己嫌悪という感情の正体
私たちは、起こったことの結果をネガティブに感じたとき、その原因が何であったのかを自動的に考えてしまいます。
そして、ネガティブな結果をもたらした原因が自分であり、その自分への怒りとして湧き起こるのが自己嫌悪です。
これは、結果を自分の「能力」か「努力」で変えられた可能性があると考えたということでもあります。
ただ、自己嫌悪はできなかった自分に対して湧き起こる感情なので、自己嫌悪が湧き起こるときは、能力不足の自分、努力不足の自分に怒りを感じているということになります。
「そんなこと、言われなくてもわかっている」と突っ込みを入れられてしまいそうですが、このことを客観的に見てみると、あることが見えてきます。
それは、
”能力を高めれば、努力を増やせば自分を満足させることができる”と考えている。
この考え方は、
自分を理想の自分に押し上げようとする向上心がある人の考え方。
自分に足りないことがあることを、悲観的に捉えている人の考え方ではありません。
自らの可能性を信じ向上心を持っているからこそ、自己嫌悪という感情は湧き起こってくるのです。
話が少しそれますが、私のとてもお世話になった医師が、ことあるごとに言っていた言葉があります。
それは、“自己嫌悪になったら赤飯を炊きなさい”。
赤飯を炊きなさいの意味は、お祝いをしなさいということです。
なぜ、自己嫌悪になったらお祝いをするのか、その意味を訊ねてみたことがあります。
そのときの答えが
「自分を嫌いになるのは新しい自分になるタイミングだからだよ」
「新しい門出には赤飯を炊いてお祝いするものでしょ。」
とてもわかりやすくて新鮮だったので今でも鮮明に覚えています。
新しい自分になっていくための考え方
向上心を持っているだけでは、理想の自分にたどり着くことはできません。
そして、能力不足の自分、努力不足の自分に怒りを感じ、それを新しい自分になる門出だと祝うだけでも、新しい自分になることはできません。
では、自己嫌悪を感じたときどうしたらいいのでしょうか?
どんな考え方をすれば新しい自分になって行くことができるのでしょうか?
自己嫌悪になるには何かしらの原因があります。
その原因を知るために、「なんで?」「どうして?」と原因追及をしてしまうことがあります。
しかし、仮にその原因を「なんで?」「どうして?」と原因追及するのが上手になったとしても、
うまくいかない原因の評論や解説が上手になるだけです
そこで、自己嫌悪を感じたら
“どうしたら?”と、考えるようにしてみましょう。
“どうしたら?”と考えることは、
目の前の出来事を乗り越えていくための視点をつくる問いかけ方です。
“どうしたら?”と考えて、
原因追及の視点から可能性追求の視点に切り替えてみましょう。
自己嫌悪が目指す2つのゴール
実は、自己嫌悪にはゴールの違う2種類があります。
この2つの違いを解説します。
自分で決めた結果を出せないことを自己嫌悪(自分基準の自己嫌悪)
この自己嫌悪は、自分の中の基準が高いことで起りやすい自己嫌悪です。
理想を追い求めすぎてしまい、理想通りにできないことで自己嫌悪になってしまうのです。
例えば、部屋の片付け。
・部屋が散らかっていることに自己嫌悪になる。
・自分が思い描いたように片付けができないことに自己嫌悪になる。
・だから、片付けをしなくなる。(完璧に見ないようにする)
まわりから認めてもらえないことに自己嫌悪(相手基準の自己嫌悪)
人には、承認欲求があります。
承認欲求とは、「他者から認められたい」という欲求です。
この欲求を持つから苦しくなると言う方たちもいますが、それはあくまでも程度の問題。
(認められようとしすぎると、認めてもらえないことも増えてしまうことがあるというだけ。)
ただ、自分以外の誰かに認めてもらうには、認めてほしいその人のOKラインを超えなくてはいけません。それを大変だと感じるときもあるのです。
例えば、お客様が満足するおもてなしをする。
・満足感を決めるのはお客様。
・お客様のことを思って頑張ったのにクレームが出てしまい自己嫌悪になる
・お客様の満足が何なのかわからなくて自己嫌悪になる
自己嫌悪の種類で満たし方を変える
自己嫌悪が2種類あるのですから、
自分を満足させる方法もそれに合わせる必要があります。
自分で決めた結果を出せないことを自己嫌悪の場合
この自己嫌悪は、OKラインを自分で決めることができます。
OKラインが高すぎるだけのとき
OKラインを調整します。
1.今できることは何なのかを確認
2.1をやることを今の目標にする
1.2の繰り返しを積み重ねることに力を注ぐ
明確な目標に向かうとき(ダイエット、禁煙、資格取得など)
1.具体的な言葉で目標を再確認する(具体的な言葉に否定語は含まれない)
2.いつまでに目標を達成するのかを決める
3.目標達成予定日から逆算してやりことを決める
4.目標達成に向けた第一歩を決める
第一歩は今日できること。その一歩を今日踏み出す。
まわりから認めてもらえないことに自己嫌悪の場合
この自己嫌悪は、OKラインが自分以外のところにあります。
だから、OKラインがどこにあるのかを確認します。
1.OKラインがどこにあるのか確認
2.OKラインに向かって今できることに力を注ぐ
確認したが、その要求に応えられないとき
相手の要求に応えられないときはときは、
【OKラインが高すぎるだけのとき】の方法で、
今できることを積み重ねます。
OKラインが確認できないとき
このときも、
【OKラインが高すぎるだけのとき】の方法で、
今できることを積み重ねます。
まとめ
自己嫌悪になっているときは、
今までのやり方ではうまくいかなくなっている。
つまり、新たなやり方を考えなくてはいけないときです。
勇気を持って一歩踏み出し、新しい自分になるチャンスをつかんでいきましょう。
編集後記
気持ちに余裕がなくなっていることはわかっていても、その理由が何なのかわからない悶々とした日を過ごしていたとき、記事の中で紹介した、医師の言葉を思い出しました。
「自分を嫌いになるのは新しい自分になるタイミングだからだよ」
「新しい門出には赤飯を炊いてお祝いするものでしょ。」
赤飯を炊きはしなかったですが、自分を振り返る余裕ができました。
このことを書き留めておこうと思い、この記事を書きました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他の記事も参考にしていただけたら嬉しいです(^^)
ご訪問ありがとうございました。
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