ハラスメント対策の基本:バランスのとれた関係性を築く環境づくり

 

〔パワハラ防止法施行〕
どうすればいい?ハラスメント対策 

この記事は、ハラスメントについて何かしなくてはいけないけど、

何から手をつけていいのかわからないという方向けに書いています。

この記事を読むことで、ハラスメント対策の基本がイメージできると思います。

1.ハラスメントに気を配らなくてもよい状態をつくる

ハラスメント対策とは、ハラスメントをなくすことや、ハラスメントで傷つく人を減らそうというのが目標ではありません。

ましてや、ハラスメントにいち早く気がついて守るということでもありません。

ハラスメント対策とは、

バランスのとれた関係性を築くことで、ハラスメントに対して気を配らなくてすむ状態を作る、

つまり本来の必要なことに気持ちを向けることができるようになるということです。

 

くれぐれも、勘違いしないでいただきたいことがひとつあります。

ハラスメントに気を配らなくていい状態を作るのだから、みんなが気にしなければいいということではありません。

ハラスメント対策の中核にあるのはバランスのとれた関係を築くと言うことです。

2.ハラスメントって何?

ハラスメントの種類やハラスメントの名称、具体的にこんなことがハラスメントになるということを細かく説明してくれている資料やサイトが存在します。

読んでみると、こんなこともはハラスメントになるのかとびっくりさせられるようなハラスメントもあったりします。

 

ハラスメントは、もともと「困らせる」とか「嫌がらせ」のことを指す言葉として使われていました

しかし、最近は不快になる行為全般をハラスメントと表現しているため、どんどんハラスメントの種類が増えているようです。

どんどん増えているハラスメントの種類を覚えて役に立つとすれば、相手を懲らしめるとか相手を訴えるときに使うことができるということぐらいでしょうか。

ハラスメントの種類を覚えるよりも、ハラスメントがどんな状態を表す言葉なのかを覚えておいた方が役に立つと思いますので、こちらを是非覚えておいてください。

ハラスメントは、「過ぎた状態」を表す言葉として使われています。

何事も、やり過ぎてしまったり、やらな過ぎてしまったりすると、相手が見えない一方的な状態になってしまいます。

一方的な状態ですから、そこには配慮や思いやりが感じられない。

だから、それを不快に感じてしまいます。

この不快に感じることを、ハラスメントとして表現しているのです。

3.なぜ、ハラスメントが起こるのか

なぜ、ハラスメントが起こるのか。

それはズバリ言ってしまうと、こころのダムが空に近くなっているからです。

ハラスメントは、過ぎてしまい相手が見えない一方的な状態になっています。

ということは、ハラスメントが起こっていないときは、バランスがとれて相互的な状態になっているということですよね。

この相互的な状態をつくるっているのが、こころのダムです。

(本当にダムがあるわけではありませんが、専門的な言葉を使うのが苦手なので、わかりやすい言葉に変換しています。)

人の心には、大きく分けると2つのダムがあります。

1つは、与えるためのダム

もう1つは、蓄えておくためのダム

蓄えておくダムは、与えるためのダムが空にならないように、与えるためのダムをサポートする役目を持っています。

与えるためのダムの役目は、誰かに与えること。

こころの話ですので、このダムの役目は、こころを届けることです。

わかりやすく言い換えると、思いやりか気遣いといったこと。

この誰かの中には、自分も含まれます。

だから、自分を思いやるとか、気遣うというのも与えるためのダムの役目です。

もう1つの、蓄えておくためのダムの役目はというと、名称のまま。こころを蓄えておくことです。

こころを蓄えるとはどんなことなのかイメージしずらいかもしれません。

わかりやすく言ってしまうと、認められるとか褒められるということ。

つまり、誰かに与えられるということです。

蓄えておくためのダムは、誰かから与えてもらうことで与えるためのダムのサポートをすることができます。

だから、与えられて蓄えている以上に与えることが増えてしまうと、ダム全体のバランスが崩れて、ダムが空に近づいて行ってしまうのです。

サポートのないこころのダムは余裕がなくなります。

だから、与えることができなくなってしまったり、与えるとしても与えるダムの中だけで完結できるような与え方になってしまうのです。

これが、結果として「過ぎる状態」を作っているのです。

バランスのとれたこころのダム
十分なサポートが得られるので、自然と誰かへの思いやりや気遣いができる。自分への気遣いや思いやりは、自分を認める褒めることになるため、それも与えるダムのエネルギーになる。
バランスの崩れたこころのダム
サポートがない中で与え続けるために、自分勝手な振る舞いによって得られる自己満足が与えるダムのエネルギーになる。

4.あたりまえは無いという意識がハラスメントをなくす

ハラスメントの芽があるということは、与えるダムを酷使しているのに、与えられることが少ないために、蓄えるダムが空になるようなことが起こっている可能性があるということです。

このような状態をつくりだすのは、みんなの「あたりまえ、当然」という意識。

「頑張ったとしても、それはあたりまえのこと」「どんなに大変だとしても、それをやるのは当然のこと」という意識が広がり出すと、与えることが減ってしまいます。

ここでひとつクイズです。

「あたりまえ、当然」の反対の意味を持つ言葉を知っていますか。

答えは、「有り難い」

あることがむずかしい、まれである。めったにない事。「ありがとう」の語源です。

「あたりまえ、当然」と「有り難い」は対極にある。

つまり、「あたりまえ、当然」と思うことが増えると、「ありがとう」が減っていくということです。

あたりまえでは無いんだという気持ち、「ありがとう」の気持ちは相手の蓄えるダムに溜まっていきます。

ハラスメントの芽が見える人の蓄えるダムを充たしていくことで、ハラスメントに気を配らなくてもいい状態をつくることができます。

見て見ないふりや気づかないふりもハラスメントです。

イメージしたことを実践に移すかどうかは、あなたの決断次第です。

 

この記事が、

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